頭を使って家づくりする家づくり説明書
頭を使って家づくりする家づくり説明書
~社長ブログ~「お金を使う前に、頭を使って家づくりをしよう!」我が子に伝えたい家づくりの考え方
家づくり説明書〔インタビュー編〕の目次ページ
[家づくり説明書〔インタビュー編〕] 投稿日時:2022/09/30(金) 15:19
●インタビューシリーズから学ぶ高野工務店が大切にしている「家づくりの考え方」
【登場人物】

■高野工務店三代目社長 高野 和賢 (たかの かずよし)
・ご家族が快適に暮らせる家の設計とそれを見える化した分かりやすい提案が得意・趣味は野球と読書

■A子(えいこ)
・6才、4才、2才の3人の子どもがいる30代主婦
・最近、夫の地元である茨城県つくば市に引っ越してきた
・これからつくば市内で新築を建てるところ
つくば市内で新築の家を建てようとしている主婦A子。
住宅展示場やハウスメーカーに行っては話を聞いてきたが、どこで家づくりに迷いだしていた。
そんなとき、高野工務店のチラシをふと手にしたことをきっかけに出会った高野社長。
親しみやすく明るい人柄と家づくりへの熱い思いを持っていることを感じ取ったA子は、
高野社長にインタビューを行い、初めての家づくりに大切なことを教えてもらうことになった!
●家づくり説明書〔インタビュー編〕の目次一覧
【第1回】つくば市で初めての家づくり 何から始めたらいいですか?
【第2回】間取りを決める前に考えよう!敷地に対して最適なリビングはどこ?
【第3回】つくば市の気候と季節に合わせた快適に過ごせる家づくりをしよう!
【第4回】土浦市の敷地に斜めに建つお家
【第5回】つくば市で賢く家づくりするために高野工務店で大切にしていること
高野社長から「家づくりに大切な考え方」について学んでいくA子。
これから家づくりをしていく人に知ってもらいたい「家づくりに大切な考え方」を知るインタビューシリーズです。
- 一生に何回もないマイホームづくりだからこそ、一番最初に知っていただきたい大切な考え方をお伝えしています。
- 私も目からウロコの連続でした!
家づくりの不安が解消していき、これから家を建てるのが楽しみになってきました!! - そう言っていただけて嬉しいです。
ぜひ、つくば市でお家づくりを考えている方は、ご覧になってくださいね。
つくば市で賢く家づくりするために高野工務店で大切にしていること
[家づくり説明書〔インタビュー編〕] 投稿日時:2022/09/30(金) 08:34
●高野工務店が考えるお家の『標準装備』とは!?
【登場人物】

■高野工務店三代目社長 高野 和賢 (たかの かずよし)
・ご家族が快適に暮らせる家の設計とそれを見える化した分かりやすい提案が得意・趣味は野球と読書

■A子(えいこ)
・6才、4才、2才の3人の子どもがいる30代主婦
・最近、夫の地元である茨城県つくば市に引っ越してきた
・これからつくば市内で新築を建てるところ
つくば市内でマイホームを建てる予定の主婦A子。
家づくりの悩みを抱えていた時に高野社長に出会い、高野社長へのインタビューを通して初めての家づくりに大切なことを教えてもらうことになった!
前回は方位を踏まえたお家づくりの大切さを学んだA子。
高野社長がこれまで語ってくれた家づくりの大切なポイントはどれも目からウロコな話ばかりだった。
●自分の子どもに建てたい家とは!?
――高野社長のお話を伺えば伺うほど、これから家を建てる人にとって、みんなが知りたいことだと思いました!
高野社長:
ありがとうございます。
これからマイホームづくりをされるA子さんにそう言っていただけると、信念を持って取り組んできた高野工務店の家づくりを褒めていただけたようで、とても嬉しいです。
――正直、家づくりを検討し始めてから、住宅設備としての床暖房とか太陽光とか、高気密高断熱がとか、そういうところで暖かさを求めたり寒さ対策を考えていたんですが、高野社長のお話を伺ってきて家づくりへの考え方が大きく変わりました。
高野社長:
そう言っていただけてなによりです。
うちで建てるお客さまにも、必ず高野工務店の家づくりの考え方を理解していただいた上で、お話を進めさせていただいています。
――こんなに学びがいっぱいで、建てた後の暮らしを豊かにしてくれるお話からスタートする家づくりなら、本当に安心ですね!
太陽の光との付き合い方とか、自然の力や周りの周辺環境を考えながら、敷地に対してどのように家を配置したらいいのかなど、これから家を建てる人には教えてあげたいお話ばかりでした!!
▼宿泊体験ができる高野工務店のモデルハウス
高野社長:
よく、「高気密高断熱の家」や「耐震等級3」を売りにしているハウスメーカーさんや工務店さんがありますよね。
でも実際にいま建てているお家というのは、”高気密高断熱”で当たり前で、”耐震等級3”で当たり前で、”長期優良住宅”で当たり前と思っているので、だからそこを売りにしている段階で「ちょっと違うな」と自分の中では思っています。
――高野工務店さんでは、「高気密高断熱」も、「耐震等級3」も、「長期優良住宅」も当たり前なんですね~~!
高野社長:
はい、そう考えています。
例えば、車を買いに行ったときに「タイヤはオプションで付けますか?」とは言わないじゃないですか?
――たしかに言わないですね(笑)
高野社長:
ですよね(笑)
「ブレーキ要りますか?」「アクセル要りますか?」「ハンドル要りますか?」とは言わないじゃないですか?
――そうですね(笑)
高野社長:
結局自分の中では”耐震”とか”高気密高断熱”は、車で言うとついていて当たり前の部分なんですね。
――お家の標準装備なんですね。
高野社長:
そうです。高野工務店での家づくりにおいては、標準装備なのです。
例えば、同じ車の中でもグレードってあるじゃないですか。
ついてくるオプションによって違う「グレード」という点では、家で言うとキッチンのグレードだったり、お風呂のグレードだったり、そういうところはお客さまに自由に選んでいただいて良いと思っています。
ただし、家のコアの部分、構造的な部分や、お客さまの「生活、健康、快適性」に関わってくる部分は工務店側がバシッと決めておかないと、と思っています。
「お客さまの予算があるから、これ。」「予算がないならこれ」という提案の仕方は、はっきり言って失礼だと思っています。
――たしかに、そうですね~!
高野社長:
自分がいつもお客さんに言うのは、「自分の子どもが家を建てるなら、うちの仕様でしか絶対建てさせません」と、言っているんです。
――高野社長がご自身のお子さんに建てる家だったら、一番安心ですね。
高野社長:
ありがとうございます。
自分自身、それが一番良いと思っていますので。
お客さまに建てていただく家を、うちの子どもに建てる家と違う仕様で提案している時点でおかしいですよね。
お客さまとうちの子どもを線を引いて提案したくないので、自分が良いと思ったものだけで提案させてくださいって伝えているんです。
――なるほど~!一番良い提案を全部聞いた上で、それじゃぁ、自分たちがどうしたいかって考えていけるのはすごく安心ですね!
高野社長:
そうですよね。
キッチンとか住宅設備は結局消耗品なので、10年~15年で交換可能じゃないですか。
交換可能なものは自由に選んでくださいって言ってるんです。
――キッチンや壁紙とかですね。
高野社長:
そうです。ただ、断熱材とか、屋根の下地とかそういうものは結局、剥がさないと交換できないので、最初の新築の状態で長持ちする良い物じゃないと、お客さんが結局損してしまうので。
そこのところに関しては「うちではこれと決めているので、これでいきますよ」と、話をしています。
お引き渡し後、お客さまのお家に行ったときに、
「この家、寒いですね~。暑いですね~」と言われないように(笑)、常に自分が学び続けている中の一番良いものをお客さまに提供しています。
▼宿泊体験ができるモデルハウスの外観
――高野社長にお話を伺ってきて、わたしも高野社長から教えていただいたことや「日当たりシミュレーション」をしながら、お家づくりをしたいと思いました。
高野社長:
そう言っていただけてとても嬉しいです。
ちゃんと「日当たりシミュレーション」をすると、その敷地にとって一番最適な外構と建物の計画を決めることができます。そこを間違ってしまうと、そこから家づくりの失敗がはじまってしまうので、その部分がとても重要なところなんだよという認識を持ってもらいたいと思っています。
そうすることで、より効率的な土地の使い方が分かりますので。
――高野社長のお話を聞いて、「日当たりシミュレーション」の重要さはすごく感じています!
高野社長:
ありがとうございます。
うちでは100%、新築のお客さまはもちろんですが、リフォームのお客さまでも「LDKを広くしたいので増築したい」などの間取り変更の大きなリフォームの時も、この日当たりシミュレーションは行っています。
お客さまにもとっても喜ばれています。
「”高気密高断熱”のお家は光熱費がかからない」とか、あったかいとか、涼しいというのは、それだけだとウソなので。
それを理論的にパッシブデザインの考えを踏まえて行っていくことで、あったかいお家にもなるし、涼しいお家にもなるということですね。それらの流れがストーリー付けしていないと”高気密高断熱”のお家でも、意外と夏に「暑いよ」か、「エアコンをガンガンかけないと涼しくならないよ」という家になってしまいます。
――性能を最大限活かすためのお家づくりが大事なんですね。
高野社長:
はい、そうですね。
そして高野工務店では、「家は性能があって当たり前で、デザインも大切だよね」という考え方で家づくりのお手伝いをさせていただいています。
――なるほど!だから、高野工務店さんのお家はデザイン的にもステキなんですね~!!
性能だけではなく、デザインもステキだと暮らしがより豊かになりますね!
高野社長、初めてのお家づくりに大切なことをたくさん教えてくださってありがとうございました。
今度は夫と一緒にお話を伺いに来ますね。
高野社長:
ありがとうございます。お気軽に旦那さまとご相談にお越しくださいね。
A子さんの大切なマイホームづくりをお手伝いさせていただけたらとても嬉しいです。
高野工務店では、「パッシブデザインワークショップ」を開催しています。
A子さんにお話してきた「自然の力を活用したお家づくりの考え方」を深く理解していただけるようなワークショップですので、そちらもぜひ旦那さまとご参加いただけたらと思います。
――「パッシブデザインワークショップ」を開催されているんですね。
高野社長から直接お話を伺った方が、夫も納得すると思うのでせひ参加させていただきますね!
高野社長:
はい、お待ちしております。
実は今回、A子さんとお話ているこのモデルハウスは、『宿泊体験ができるモデルハウス』になっています。
ぜひご家族で宿泊体験もしてみてくださいね。
高野工務店が大切にしている「家づくりの考え方」を学んで
高野社長へのインタビューを通して「家づくり」の大切な考え方を教わってきたA子。
初めて知ることばかりで最初は驚くばかりだったが、教えていただいた大切なポイントを踏まえたマイホームづくりをしたいと、前向きで明るい気持ちになっていた。
- 5回に渡って「家づくりの大切な考え方」をお伝えしてきましたがいかがでしたか?
- 家づくりの悩みが吹き飛びました!(笑)
気持ちも晴れやかになって、マイホームを建てるのが楽しみになっています!! - そう言っていただけて嬉しいです。高野工務店では、お家を建てた後も長くお客さまとお付き合いしていきたいと思っていますので、住んでからも満足していただけるようなお家づくりをお手伝いさせていただいています。
つくば市でお家づくりを考えている方には、ぜひ知っていただきたい大切な考え方ですので、ワークショップにもぜひご参加くださいね。
土浦市の敷地に斜めに建つお家
[家づくり説明書〔インタビュー編〕] 投稿日時:2022/08/30(火) 08:03
●建物の敷地は真南を必ず向いているわけではない!
【登場人物】

■高野工務店三代目社長 高野 和賢 (たかの かずよし)
・ご家族が快適に暮らせる家の設計とそれを見える化した分かりやすい提案が得意・趣味は野球と読書

■A子(えいこ)
・6才、4才、2才の3人の子どもがいる30代主婦
・最近、夫の地元である茨城県つくば市に引っ越してきた
・これからつくば市内で新築を建てるところ
つくば市内で家を建てることを検討中の主婦A子。
家づくりに悩み始めた時に高野社長に出会った。高野社長の家づくりへの熱い想いに触れ、インタビューを通して初めての家づくりに大切なことを教えてもらうことになった!
前回は冬の日当たりシミュレーションの大切さを学んだA子。
高野社長の明るく優しい話し方のおかげで家づくりへの不安が少しずつ減ってきていた。
●敷地なりに建てる前に確認しよう!敷地の方位
――前回、高野社長が仰っていた「敷地は真南を必ず向いているわけではないので、方位も見ていくことが大切」ってどういうことですか?
高野社長:
そうですね。方位の大切さについて分かりやすくご説明しましょう。
この画像を見てください。
この白く囲ってある建物がうちで建てたお客さまの家です。
▼敷地に斜めに建つ家
▼敷地に斜めに建つ家の建築パース
――なんだか、一つだけ斜めっていますね~!(笑)
高野社長:
そうですね(笑)
画像の左上に方位記号があるのでみてください。
これをみていただくと、真南が下なんですね。
――あっ!本当ですね。下が真南になっています!
高野社長:
そうです。他のお家は敷地が45度左に向いています。 つまり他のお家は西に向いていて、敷地なりに建てている状態です。
しかし、このお家は、日当たりシミュレーションを行ってお客様に納得していただけたので、こういう向きになっているのです。
――あぁ!なるほど~~!
このお家だけ、真南に向いて建っているんですね。
高野社長:
そうです。実はこのお家、「スーパーウォール会」と言って、LIXILのスーパーウォール工法でお家を建てている会社さんの集まる会で、北関東ブロック最優秀賞を取らせていただいた作品なんですよ。
――賞を取っているお家なんですね~!しかも最優秀賞だなんてすごいです!!
高野社長:
ありがとうございます。前回見ていただいた日当たりシミュレーションをやって外構や駐車場や水回りやリビングを決めていくのは同じなんですが、建物の方位による日射取得状況も考えていきます。
――建物の方位によって、日の当たり方が変わってくるんですね。
高野社長:
そうです。この画像を見ていただけますか?
▼建物の方位による冬季の日射取得状況の比較
――敷地に対して建物の向きがちがいますね!
高野社長:
そうです。真南に建てた場合と、敷地なりに建てた場合で、日当たりシミュレーションの比較をしました。
同じ10時の日当たりを見てみると、①の「真南に向けて建築」では、1階にこれくらいたっぷり日差しが入るんですね。
でも、②の「敷地なりに建築」ではこれくらいしか日差しが入らないんです。
――②は、ほんのちょこっと窓際にだけ太陽の光が当たるくらいなんですね~~!
高野社長:
そうです。窓際に少しだけ日差しが当たる形ですね。
お昼の12時になると①も②も日差しが入ってきますね。
夕方になると、西日になるので②の「敷地なりに建築」は西側を向いているので日差しが多く入ってきます。
――②の方が夕方はあったかいんですね~!
高野社長:
そうですね。冬だけ考えたら、②の敷地なりに建てた方が夜はあったかいです。
ただ、朝は日差しがほとんど入らないので寒いです。
①の真南に向けて建てた方は朝から日中にかけて平均してあったかさを確保できます。
――なるほど~!1日を通して平均してあったかい方が良いか、夜があったかい方が良いかという比較ができるんですね。
高野社長:
そうです。そして、意外と重要なのが夏の日当たりシミュレーションの比較です。
こちらの画像を見てください。
▼建物の方位による夏季の日射取得状況の比較
高野社長:
②の敷地なりに建てた家は、西を向いているので夏の夕方には西日がすごく入ってきます。
――うわぁ~~!夏の西日はちょっと、つらいですね~!
高野社長:
夏の西日はつらいですよね。
これを高性能なお家でやればやるほど2階がすっごく暑くなってしまいます。
冬と夏のバランスを考えたら、②の敷地なりに建てるよりも、①の真南に向けて建てた方がバランスが良いねということで、敷地に対して斜めに建てることになりました。
――なるほど~~~!!
高野社長:
実際、こうやって日当たりシミュレーションを使って”見える化”すると理論的に、この敷地ならこう建てた方がいいよというのが分かるので、これをやらないで家づくりするのはもったいないと思うんです。
――本当ですね!具体的に見せていただいて納得しました!!
ちなみにわたしの妹もちょうど家づくりをしているので今日教えてもらったことを伝えたいんですが、今日見せていただいた画像などの資料はどうやったらいただけるんでしょうか?
高野社長:
はい。資料請求いただければ先ほどのシミュレーションの詳しい資料をメールでお送りしています。
ホームページの「資料請求・お問い合わせ」から資料請求してくださいね。
――わぁ!ありがとうございます♪
早速、妹にも教えてあげようと思います。
【次回】つくば市で賢く家づくりするために高野工務店で大切にしていること
敷地に斜めに建つお家の意味を日当たりシミュレーションで具体的に見せてもらったA子。
自分たちのマイホームも日当たりシミュレーションをして快適なお家にしたいと強く思った。
- 敷地なりに建つお家が多い中、方位を踏まえたお家づくりの大切さを今日はお伝えしましたがいかがでしたか?
- もう、目からウロコでした!最初は敷地に斜めに建つお家ってなんだろうと思ってましたが、日当たりシミュレーションを具体的にすることでしっかりと納得できました!
- 良かったです。お家を建てる前に、方位を踏まえたうえで日当たりシミュレーションをしっかり行うことで、建てた後の毎日の生活が快適になります。
満足のいくお家づくりのためにも、覚えておいてくださいね。
つくば市の気候と季節に合わせた快適に過ごせる家づくりをしよう!
[家づくり説明書〔インタビュー編〕] 投稿日時:2022/08/03(水) 08:18
●一年を通して快適なお家作りをするために大切なこと
【登場人物】

■高野工務店三代目社長 高野 和賢 (たかの かずよし)
・ご家族が快適に暮らせる家の設計とそれを見える化した分かりやすい提案が得意・趣味は野球と読書

■A子(えいこ)
・6才、4才、2才の3人の子どもがいる30代主婦
・最近、夫の地元である茨城県つくば市に引っ越してきた
・これからつくば市内で新築を建てるところ
新築の家をつくば市内で建てることを検討している主婦A子。
家づくりで行き詰まっている時に出会った高野社長へのインタビューを通して初めての家づくりに大切なことを教えてもらうことになった!
前回は日当たりシミュレーションから考える間取り設計の大切さを学んだA子。
実際に日当たりシミュレーションを見たことで、なぜ周辺環境を考えることが大切なのかが少しずつ分かってきた。
●「冬の日当たりシミュレーション」が大切な理由とは?!
――前回、周辺環境から間取りを考えていく家づくりが大切だと教えていただきましたが、もう少し詳しく知りたいです!
高野社長:
わかりました。前回見ていただいた冬の日のシミュレーションをもう少し詳しくご紹介しましょう。
前回、2階に吹き抜けを作ったら1階に陽が落ちてくるから、朝から電気をつけなくていいですねとお話ししました。
――はい、電気代の節約にもなっちゃうというのが驚きでした!
高野社長:
吹き抜けを2階に作った場合、例えば、1階の左からリビング、ダイニング、キッチンという並びなら、朝もリビングからキッチンまでしっかり陽が入るから横並びのレイアウトも良いですねというご提案もできます。
▼12月20日の朝
――なるほど~!陽の入り方からリビングダイニングキッチンの場所を決めていけるんですね!
高野社長:
そうですね。実際に暮らした時の陽の入り方を事前にシミュレーションすることで、
快適に過ごしていただける間取りを決めていけます。
つぎは、日当たりシミュレーションを動かして隣家の影の先端の動きを見ていきましょう。
これを行うことで、例えば、隣家の先端の影が室内に入らないギリギリのラインまでなら南に建物を持ってきても良いですね、というご提案もできます。
▼隣家の影の入り方
――おもしろいですね~~!
高野社長:
建物が建つ前から、陽の入り方や暮らし方を具体的にイメージしていただけるので、建物が建って住み始めてからのギャップが少なくて済みます。
――なるほど!
高野社長の所でお家を建てる時は、この日当たりシミュレーションは四季折々の陰を見ていくんですか?
高野社長:
基本的に建物を建てる前の段階だと、12月20日近辺でしか日当たりシミュレーションは行わないです。
――冬の日当たりシミュレーションのみなんですね。それは、何でですか?
高野社長:
この12月半ばあたりが太陽高度が一番低いからです。
一番、日当たりを確保するのが厳しい時期ということですね。
日当たりシミュレーションの目的は、冬の日差しを確保するために行っています。
冬のこの時期で陽が当たれば、それより太陽が高くなってくる春とか秋とか夏はもちろん問題ないよ、ということです。
まぁ、夏は日差しを入れたくないのでまた別の考え方があるんですけどね。
次は、こちらの画面を見てください。
実際に建物が建ったらこうなるよ、というのを同じ12月でシミュレーションしたものです。
▼建物がある冬の日当たりシミュレーション
――建物があるバージョンはより分かりやすいですね~!
高野社長:
はい。お客様からもよりイメージしやすいというお声をいただきます。
この状態で陽の当たり方も見ていきましょう。
▼冬の朝9時半頃(建物有りの場合)
▼冬の12時半頃(建物有りの場合)
▼冬の13時半頃(建物有りの場合)
▼冬の15時頃(建物有りの場合)
――部屋に入る影や陽の当たり方がとっても分かりやすいです!
高野社長:
吹き抜けを南側の2階の前面に作りたいとなった場合は、吹き抜けから陽が入るようにポジショニングしてあげるんですが、シミュレーションしながら陽の入り方を見ていきます。
ここまで見ていただいたのが冬バージョンの日当たりシミュレーションです。
――冬は日差しをどうやっていれるかを考えていくんですね。
さっき、高野社長が言いかけていた「夏は別の考え方がある」というのが気になります~。
どういう意味ですか?
高野社長:
建物ができたときは夏バージョンの日当たりシミュレーションも見ていただきます。
7月20日頃の日当たりシミュレーションを行うのですが、高性能なお家で日差しを室内に入れちゃうと「オーバーヒート」と言って、暑くなってしまいエアコンが効かなくなってしまうのです。
――高性能なお家なら夏も自然と涼しいのかと思ってましたが、違うんですね!
高野社長:
そうですね。夏は日差しを室内にいかに入れないかということを考えていきます。
例えば、庇(ひさし)とか袖壁(そでかべ)をつけてあげると、夏の西日が家に入りにくくなります。
▼袖壁による日射遮蔽
――へ~~~!おもしろいです!
高野社長:
うちで建てるお客さまにはシミュレーションを1回1回やっています。
例えば、和室の窓の上に60㎝くらいの庇をあとでつけてあげると、和室への西日も入らなくなったりします。
日当たりシミュレーションでこんな風に調整をしてあげると夏場蒸し暑い2階がなくなるというわけです。
――なるほど~~!
今まで漠然と「冬に寒くない家がいい。あったかい家がいい」と、欲しい家についてハウスメーカーさんに伝えてきたんですけど、日当たりシミュレーションを見せてもらって「具体的に考える」ってこういうことなのかって感じました!
高野社長:
ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。
「見えないモノを見える化したご提案」が高野工務店の良さですから。
――具体的に目で見たことで、とっても分かりやすかったです。
ちなみに、つくば市の気候に合った家づくりというのもあるんでしょうか?
高野社長:
そうですね。省エネ地域区分という地域区分があるのですが、茨城県には「4地域」、「5地域」、「6地域」のエリアがあります。
数字が大きいほど暖かい地域になるのですが、つくば市は「5地域」になるので、温暖な地域の中でも少し寒い地域にあたります。先ほどお見せした日当たりシミュレーションを踏まえ、冬の寒さも夏の暑さも考慮した家づくりと、根本的な家の性能がとても大切になってきますね。
――なるほど~!
ちなみに日当たりシミュレーションは、土地を探す段階で考えていったらいいですか?
土地が決まって、さあ建てよう、どこにお願いしようかな、という段階で考えたらいいのでしょうか?
高野社長:
そうですね。土地がある人であれば初期段階から一番最初にやった方がいいですね。
これをやらないと駐車場の位置などが決められません。
日の当たらないところは水廻りとか収納スペースとか駐車場とかになってくるので。
LDK、吹き抜け、あと2階にセカンドリビングがあればそういったところなど、陽の当たる快適なところから、家族が集まる場を入れていってあげるのです。
――なるほど~~~!!!
日の当たるところにLDKや吹き抜けとかを持ってきて、日の当たらないところは駐車場とかお風呂とかの水廻りをもってくるんですね。
高野社長:
基本的な考え方はその通りです。
敷地図だけを上から見て間取りを決めることが快適なおうちづくりから遠いやり方だということが分かっていただけたのではないでしょうか。
結局、敷地って真南を必ず向いているわけではないので、方位も見ていくことが大切ですしね。
――えっ!それってどういうことですか?
【次回】土浦市の敷地に斜めに建つお家
冬バージョンと夏バージョンの日当たりシミュレーションを高野社長に見せてもらったことで、A子は日当たりシミュレーションをした上で家づくりをしたいと思うようになっていた。
- 冬は太陽の高度が低いから冬の日差しを確保するのが日当たりシミュレーションの目的でしたね。
- はい!冬の日差しを確保できると光熱費も抑えることができますし、嬉しいことばかりですね。
- そうですね。自然のエネルギーを最大限活用すればより省エネなお家づくりをしていただけます。
夏は、エアコンの効きを良くするためにも日差しを入れないという考え方をお話しさせていただきました。
庇や袖壁やシェードなど、夏の日射遮蔽の計画も家づくりにはとても大切になってきますので、覚えておいてくださいね。
間取りを決める前に考えよう!敷地に対して最適なリビングはどこ?
[家づくり説明書〔インタビュー編〕] 投稿日時:2022/07/07(木) 13:35
●日当たりシミュレーションから考える間取り設計とは?!
【登場人物】

■高野工務店三代目社長 高野 和賢 (たかの かずよし)
・ご家族が快適に暮らせる家の設計とそれを見える化した分かりやすい提案が得意・趣味は野球と読書

■A子(えいこ)
・6才、4才、2才の3人の子どもがいる30代主婦
・最近、夫の地元である茨城県つくば市に引っ越してきた
・これからつくば市内で新築を建てるところ
つくば市内で新築を検討中の主婦A子。
家づくりで悩んでいる時に出会った高野社長にインタビューをしながら初めての家づくりに大切なことを教えてもらうことになった!
前回はお金を使う前に「頭」を使った家づくりの大切さを学んだA子。
間取りを考えるうえで、周辺環境から考えていくことが大切と語る高野社長。
一体、どういうことなのか?!
●太陽の日差しの当たり方と影の動きを見てみよう!
――前回、高野社長は「間取りを考える時は周辺環境から考えないといけない」と仰っていましたが、どういう意味なんですか?
高野社長:
そうですね。まずはパソコンに表示したこの画像を見ていただけますか?
▼12月20日の朝8時
――これは何ですか?
高野社長:
” 日当たりシミュレーション ”の画像を見ていただいてます。
敷地が” 茶色 ”に塗ってあるのが、お客様が建てたい敷地です。
左側の壁みたいなのは、実際は山なのですが、それを想定して壁を立てています。
ちょっと、時間を動かしていきますよ。
▼12月20日の朝8時
▼12月20日の朝10時
▼12月20日の昼12時
▼12月20日の14時
▼12月20日の16時
――わぁ~~!この画像、日陰の位置がどんどん動いていくんですね!
高野社長:
そうです。最初の画像では、12月20日の朝8時の日の当たり方を見てもらいました。
日にちや時間を変えることで、日の当たり方をシミュレーションして見ることができます。
――とっても面白いです!
時間を変えると、影が動いていくんですね~!
高野社長:
季節によって太陽の高さが違うので、同じ時間でも影の出来方が違います。
例えば、今見てもらっている12月20日だと日の出が6時55分くらいなので、時間を動かしていくことで、こんな風にこの敷地にどういう風に影ができていくかというのを目で見ていただけます。
――この日当たりシミュレーションをやるとどんなことが分かるんですか?
高野社長:
例えば、ここのお客様は「朝日が入る家がいい」と仰っていたので、日当たりシミュレーションをやることで朝の時間帯に右の側面から太陽の明かりがずっと当たっているのを確認することができます。
1階の右の側面に窓を設けて、ダイニングをもってくれば、朝日の入るダイニングを作ることができます。
▼朝日が当たる建物の側面
――なるほど!具体的に日当たりシミュレーションを見ることで、やりたいことをどうやって間取りで叶えたらいいのかが明確になるんですね!
高野社長:
はい、そうです。
例えば、2階の前面が南側になるのですが、朝からずっと太陽が当たっているので、「もし吹き抜けをつけるならここに作るといいですよ」という提案をさせてもらったりしています。
ここに吹き抜けを作れば「1階に朝から陽が落ちてくるから、電気をつけなくてもいられますよ」とお話しています。
▼吹き抜けを作る最適な場所
――ステキですね!電気代の節約にもなるんですね~!
高野社長:
はい、その通りです。「パッシブデザイン」の考え方(太陽光などの自然の力を活用して快適に生活するための考え方)が、この日当たりシミュレーションをすることで具体的に設計に活きてくるのです。
――「パッシブデザイン」という考え方も、「日当たりシミュレーション」も、今まで色んなハウスメーカーさんを見てきましたけど、こういう提案は初めて見ました!
日当たりシミュレーションは高野工務店さん以外でもやっているところはあるんですか?
高野社長:
あると思いますよ。
ただ、つくば市では、うち以外では見たことがないですね。
たぶん、結構手間がかかるのでやらないところが多いんじゃないですかね(笑)
――そうですよね。お客様ごとに、日当たりシミュレーションをして設計をするとなるとかなりの手間がかかっちゃいそうですもんね!
住宅展示場に行っても、こんな提案一回も見たことが無いです。
高野社長:
そうですね。ハウスメーカーさんだと、なかなか一般化できないと思うので、地場工務店だからこそできることの1つじゃないかなと思います。
――前回、高野社長が「LD(リビングダイニング)は単純に南に配置すれば良いというわけではない」と仰っていた意味が、なんとなく分かってきたような気がします。
高野社長:
そう言っていただけて嬉しいです。
例えば、先ほどの日当たりシミュレーションの建物の南側に、高さのある建物がすでに立っていたら、どうなると思いますか?
――えっと、敷地図だけ見ていたら、南だから日が当たるだろうと思って南にリビングを置く間取りを考えてしまうと思います。
でも、実際に日当たりシミュレーションをしたら南側は高さのある建物の陰で日陰の時間が多くなってしまうってことですか?
高野社長:
そうです!だから、敷地図と周辺環境を見て行くことが大切になってくるのです。
――なるほど~~!!!やっと理解できました(笑)
高野社長:
良かったです(笑)
次回、もう少し詳しい具体例をご覧いただきながら説明していきますね。
【次回】つくば市の気候と季節に合わせた快適に過ごせる家づくりをしよう!
日当たりシミュレーションを見せてもらったA子は、ようやく高野社長が伝えようとしてくれた家づくりの大切なポイントが、分かり始めていた。
- 日当たりシミュレーションをすることで実際に住んだときに、どんな日当たりの家になるのかというのはイメージできましたか?
- はい!敷地図だけを見て南側にはリビングと単純に考えるのではなく、周辺環境を見ながら間取りを考えていくことが大切なんだって分かりました。
- そうですね。自然の力を最大限に活用すれば、吹き抜けをつける場所一つで、電気代の節約にもつながりますからね。
間取りを考える前にまずは日当たりシミュレーションをして周辺環境を踏まえた家づくりをすることが重要ですね。